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戦後の流通業界を駆け抜けてきた清水信次氏
清水 信次氏(日本スーパーマーケット協会会長 株式会社ライフコーポレーション会長兼社長)
元谷 外志雄(APAグループ代表)今回のビッグトークは、日本の経済・社会を見つめてきたこの清水信次氏をお迎えして、その七十七年にわたる生き様や豊富な知識・経験に裏打ちされたこれからの日本に対する提言をじっくりと語っていただきました。清水信次それで外国へ。昭和二十九年に海外へ出ることを覚えたんですよ。南極と北極と中近東を除いて、他は全部行きましたね。英語は全然わからないけど、パスポートと外貨さえあれば困らない当時は日本人が海外に行くには制限が多かったです。ところが僕らは、貿易をやっていたから無制限です。だからいつも懐に一万ドルや二万ドルが入っていて、世界中を旅行できる。
元谷外志その頃の一万ドルはすごいですよね。清水信次当時は王侯貴族です(笑)。楽しかったですよ。だから昭和二十年代から五十年代の四十年間は、もうこんな楽しい人生はないな(笑)。元谷外志今伺っているとそういう海外でのお話とか、非常に良い人生を過ごされて来て、私の先を行くような先輩だと思いました。清水信次そのバチが当たってね、四十年間良い思いをして、後の十七年間は懲役みたいなものです。元谷そうなんですか?
清水信次ええ。われわれ流通業界というのは、それはひどい業界ですよ。アメリカを見てもヨーロッパを見ても、自由主義国家の流通業というのは有為転変で、地獄と天国の間を往来しているようなきがします。アメリカでもセーフウェイとかシアーズとかKマートが、世界一の流通会社として栄華を極めましたが、その後転落したりまた浮いたり。創業のオーナーなどはどこへ行ったかわからないようになったり、社長・会長も絶えず交替している。今のウォルマートは天国ですが、『おごれる平家久しからず』の業界ですから、またいつかは凋落の時が来る。 元谷外志厳しいですね。競争が激しいんですよね。
清水信次はい。ですから今の十七年は刑務所に入っている(笑)。楽した分はやはり勤めなければいけないね。だけど今振り返っても、私は今日現在何の悔いもないし、全力投球してきた人生ですから。ですから今日我がことが終わっても何も悔いることはありませんが。元谷そうです。どれだけ長く生きたかよりも、どれだけ全力で生きたかというのが大事ですよね。


